変身活動家 江上喜郎

変身活動家・江上喜朗が不定期に更新しているブログ。事業承継に関する考察や経営ノウハウ、実際の事例などについてまとめています。書籍では書けなかった部分まで明かしていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

第8回2018年3月11日

教習所経営は、高校数学で答えが出る。 VOL.2

さて今回はいよいよ、「自社シェアとは何か?」「シェアをあげるためにはどうしたらいいか?」という核心に迫ります。

【前回までの数式おさらい】

Y= X(入校生数)× X1(単価) ー X2(コスト)

X= a1 × a2 × X3

a1  商圏内の18歳から22歳の人口 (人)
a2  商圏内の免許取得率 (%)
X3 自社シェア (%)

【今回の数式】

X3=X4×X5

前回出てきたX3(自社シェア)はX4とX5という要素を掛け合わせた簡単な面積で表せます。その要素を、図を参考に、一つずつみていきましょう。

 

 

 

X4: 自校が認知されている数

  これは、商圏内の18歳から22歳人口に自社の教習所が知られている母数を指します。いわゆる「認知度」というやつですね。自校しか知らない人は免許取得の際は必ず自校に選ぶでしょうし、知っているだけで少なくとも選択肢には入ります。「多くの人に、自校を選択肢に入れてもらう」ことはとても大切です。教習車、バス、ネット広告、CM、口コミ、安全講話など多くの手段によって向上させることが可能です。広告などの手段で短期的に増やしやすいのも特徴でしょう。小集団毎に計測して、特に人口が多くて認知度が低いエリアで重点的にあげる努力が必要です。アンケート、消費者インタビュー等によって計測することができます。

 

X5 1人あたりの自校への評価(=期待値)

 X5において自校を知っている人1人あたりの、自校への評価(=期待値)になります。その人が入校を決定する基準となるとても重要な指標です。大きくは下記3つに分かれます。

X5①  価格、立地、取得時間などの実用的な価値への期待値

  いわゆる「安」「近」「短」です。多くの生徒さんにとって、入校決定要因としては一番大きい指標になります。全ての指標が重要ですが、「安」はY営業利益へのマイナスインパクトが大きすぎること、「近」については、バスコース変更や移転などで一部変えることはできるものの、多くの教習所にとって自社の努力によって変えることが難しいことも特徴です。よってここでは重要な指標として「短」をみていきます。釈迦に説法ですが、少し状況は変わったとはいえ、短い期間で取得できることを生徒さんは望んでいます。かつ、取得期間については(指導員数)×(1指導員あたりの回転力)で向上させることができます。また取得期間については自社データで計測可能なため、精緻な
モニタリングが可能です。

X5②   スタッフの対応、楽しさ、居心地の良さなどの内面的な価値への期待値

 「あそこ指導員の対応がすごく良いみたいよ」「めちゃめちゃ楽しいらしいね」といった、内面的な価値への期待値です。入校前に伝えることは難しく、主に口コミによって醸成されます。X5①よりは入校決定要因としては影響が小さいですが、企業努力によって差別化できる重要な指標になります。アンケートなどによって計測が可能です。

X5③ 愛情、共感、信頼、好き等の価値以外のポジティブな感情

 自校や自校スタッフへの、愛情や共感、信頼、好きといった個人的な感情です。こちらも入校決定要因の一つにはなりますが、入校前の人の感情を動かすことはハードルが高い上、感情が動く要因は個別性が高いため非常にパワーがかかります。費用対効果を考えるとこの説明変数を向上させるのは得策ではありません。ここでは議論しないこととします。

X6 既に通った教習生の満足度

 自校に既に通った教習生の、満足度です。上述のX4やX5に強く影響する、重要な指標になります。獲得した満足度は卒業した生徒の記憶としてずっと残り、中長期的に半永久的に機能し続けます。子供や兄弟、後輩へも伝播されるため、X4やX5への影響に一部タイムラグがあるのも特徴ですが、最近はTwitterやinstagram、facebookなどにより拡散されやすくなっています。実用的満足度と内面的満足度に分かれており、前者がX5①、後者がX5②に影響を与えます。実用的満足度については前述のとおり、「短」の取得期間が重要です。内面的満足度は「技能」「学科」「休み時間」の時間軸で区切ることができます。「技能」は指導員のコミュニケーション力(きく、きづく、ほめる)、学科はエンターテイメント力(指導員、教習用VTR)が重要です。

 

以上が、入校生を増やすための全体像とメカニズムになります。どの説明変数も無視はできませんが、向上させていく指標としては以下の4つは除外すべきです。
 
1 努力してもなかなか向上しないもの(やる意味ないでしょ!)
2 莫大な投資が発生するもの(できる教習所限られてるでしょ!)
3 営業利益Yを落としてしまうもの(本末転倒でしょ!)
4 短期的なもの (経営は長期でしょ!)
 
そうなると必然的に・・・
 
 
X6 既に通った教習生の満足度
 
をあげることが重要、ということになってきます。
それでは、どのようにしてX7を上げていけばよいのか??
X6自体はどのように高校数学で表せるのか??
 
 
次回 「教習所経営は高校数学で答えが出るVOL.3」〜教習生の満足度のメカニズムとは?〜必見です!