変身活動家 江上喜郎

変身活動家・江上喜朗が不定期に更新しているブログ。事業承継に関する考察や経営ノウハウ、実際の事例などについてまとめています。書籍では書けなかった部分まで明かしていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

第10回2018年7月18日

「私、社長ではなくなります」

「私は年をとりすぎた。若いお前が新しいビジョンを作って、
 会社を盛り上げてほしい」
 
 
7年間。その言葉とともに社長に就任させて頂きました。
1年後。新しいビジョンを掲げるとともに、会社の歯車は狂いました。
人が辞めていって、世の中から批判され、経営が苦しくなって。
心身ともに追い詰められました。
 
 
・・・でも残ってくれる人がいて。
新しい人が加わって。
加わった人が繋がって。
暖かい、そして強い家ができました。
メンバーの長所と主体性が輝き、業績は伸び続けました。
 
 
そして何より自分自身が。
 
 
主体性のあるメンバーと一緒に仕事をすること。
たわいもない会話をすること。
飲みに行って騒ぐこと。
そして、毎朝会社に来ること。
本当に楽しくて、幸せで、充実していました。
一生この時間が続けばいいのに。と毎日思っていました。
 
 
ただ、幸せになるのと比例し、会社に自分が必要ではなくなってきているのを
実感していました。会社のステージが変われば、経営に必要とされる要素
は当然違ってきます。破壊、新しいビジョン、推進が必要だった時期は終わり、
維持、傾聴、改善が必要になってきました。そしてその分野と自分の長所が
重ならないことも、自覚していました。「自分でない人の方が、よりうまく
やれる」そう思えてきました。
 
 
今年の11月末で、南福岡自動車学校の社長を退任することにしました。
「社員の長所を活かす」これをモットーとしているならば、自分自身の長所を
生かさなければいけません。社員の長所に蓋をしてはいけません。これ以上
自分が社長で居続けることは、その2つの観点から間違っています。
 
 
一教習所の社長を辞め、新しいチャレンジをするタイミングがきました。
 
 
破壊し、新しいビジョンを設計し、推進することが必要な場所は、まだあります。
世の中は前に進んでいて、最先端のテクノロジーやクリエイティブは新しくて
効果的なもの、面白いものがどんどん出て来ています。そしてそれはローカルの
サービス産業を極限まで効率化し付加価値を増大させ、労働生産性を上げます。
働く人間の価値観も変わってきています。実用的な報酬(金銭、労働条件)に置か
れていたウェイトは少しずつ変化し、情緒的な報酬(楽しい、居心地がいい、自己
表現できる、など)に変わっていっています。働く人間の価値観が変わるという事は、
すなわちマネジメントの方法が変わるということです。
 
 
一方で。
 
 
そういった最先端の技術や考えと、教習所などのローカルのサービス産業の経営は、
必ずしも接続されておらず、逆に対岸のものとして扱われています。そうした産業は、
売上においても従事する人間においても70%を占めているのに。
 
「業界を変え、地方のローカル産業を変え、それを通じて社会を変える。」
 
そこで自分の長所が生き、
そこは教習所経営と格闘した自分だからこそでき、
そこに自分の種火がある。
 
宇宙事業を営むメタップスの佐藤社長の言葉。
「自分自身で精神的に前に倒れようと重心をかけると、自動的に足が前に出てくる。
そのときに出た足が、いわゆる進歩だ。倒れるなら前に。」
 
世の中をよりよくするために、
自分が自分がであるために、
チャレンジを続けようと思います。