変身活動家 江上喜郎

変身活動家・江上喜朗が不定期に更新しているブログ。事業承継に関する考察や経営ノウハウ、実際の事例などについてまとめています。書籍では書けなかった部分まで明かしていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

第17回2020年4月1日

今、教習所の社長は何をすべきか

3月31日に山形県の教習所の生徒さんにコロナ感染が確認されました。
そして同日、鮫洲の運転免許試験場で同様に職員の方に感染が確認されています。
 
 
当校もそうですが、各教習所は当然何も講じずに営業しているわけではないとも思います。お客様である生徒さんと社員さんの感染を防ぐため、うがい手洗いマスク着用はもとより、受付にビニールシートを貼ったり、換気に注意したり、というできる限りの努力はしていると思います。
 
 
ただ。
 
 
人間と人間が触れ合う以上感染リスクはゼロではありません。技能教習は車内で会話を伴っており3密の「密接」要件を満たしています。学科教習は多くの生徒さんが同じ教室に集まっており、「密集」の要件を満たしています。ハンドル、椅子、座席など付着したウイルスは除去できたとしても、会話によって飛沫が直接飛ぶリスクはあります。そしてその状況を変えることは法律上、できません。他の活動と比較して極度に大きいわけではありませんが、一定のリスクはあります。
 
 
もちろん、コロナの感染防止を考えると、教習所は完全に収束するまで業務を自粛にし、リスクをゼロにすること。これが理想です。
 
 
一方、現実論では。
 
 
現時点で、教習所が単独で自粛すると生徒さんは他の学校に流れます。一度他校に入校した生徒さんは2度教習所に通う理由はなく、その生徒さんは100%帰ってきません。自社の経営は圧迫され、お金に余裕のない教習所は(そちらの方が多いとは思いますが)倒産に追い込まれます。経営者は借入れに個人保証をしていることがほとんどで、その人たちは自己破産に追い込まれ、その結果路頭に迷い、自殺者が出るでしょう。加えて、そこで働く社員さんにも、給与がなくなる、あるいは働き口がなくなることでの同様のリスクがあります。
 
 
人命の方が経済より大事だ、という方は多いですが、コロナで亡くなる方と破産して自殺する人の命は等価です。(そもそも、交通事故において年間3000人以上の命は亡くなっており、経済を度外視して死者を出さないようにするのであれば、自動車に依存する社会構造自体がおかしい、免許取得は禁止すべきだ、という議論にもなります)とにかく営業停止だ、自粛だ、とおっしゃる方はこの点を見誤っていると思います。
 
 
では、教習所の経営者は、どうすればいいのか。
 
 
よくよく考えると、コロナだからといって免許取得や更新の需要自体ががなくなることはありません。飲食店さんにおいては、営業自粛した場合そのときのお客さんの食事は自炊に代わり、そのときの需要は2度と帰ってくることはありませんが、教習所は別です。隣の教習所で免許を取った場合はお客さんは戻ってきませんが、取ってなければ必ずお客さんは戻ってきます。今は取得しなかったとしても、コロナが緩和・収束したらそのときに免許を取り始めます。そして免許取得も高齢者講習も、必ずしも今である必要はないのです。今免許がなかったとしても、お客さんは多少困るでしょうがそれが直接的な原因で死ぬ人は現れません。もちろん、両者とも教習期限や免許更新の期限というものがありますのでそこの考慮は必要ですが。
 
 
ということは。
 
 
・休校した教習所への一時的な保証(もちろん融資でも可)が明確になっており、
・教習期限や免許期限の緩和措置が整い、
・単一校でなく各校が足並みをそろえて休校すれば、
 
各教習所の経営へのダメージが極力少なく、感染リスクをゼロにできることになります。この状態を経営者の皆が目指し実現することが、今できる最善の解決策だと感じました。
 
・・・
 
 
書きながら思いましたが、ブログで語っていても、その状態は実現できません。
動かないといけないですね。
これから、県警に行ってきます。