変身活動家 江上喜郎

変身活動家・江上喜朗が不定期に更新しているブログ。事業承継に関する考察や経営ノウハウ、実際の事例などについてまとめています。書籍では書けなかった部分まで明かしていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

第18回2020年4月6日

今、教習所の社長は何をすべきか②

 前回のブログでは、教習所が足並みをそろえて休業することの必要性と、そのデメリットの少なさについて言及しました。感染リスクを100%抑えるためにはそうするべき、という意見は今でも変わっていませんが、これは経営リスク的にも免許制度的にも保証なしで単独でできることではありません。また実施するにしても時間はかかるでしょう。

「業務を行いつつ、どう感染リスクを抑えるか?」

 今回はこの喫緊の課題について書こうと思います。南福岡自動車学校の社員に向けて出したレターを転載します。経営者の皆様の参考になれば幸いです。

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「みんなと教習生の命を守るため、今何をすべきか」

 

新型コロナウイルスの蔓延で世界は大変なことになっています。

 

 4月5日現在で116万人が感染し、6万3437人が死亡し、現在も1日数千人単位で死者が出ています。これを受け、日本でも緊急事態宣言などの発令が検討され、福岡でも4月19日までの外出自粛要請がでるなどの動きが出てきています。「ヨーロッパで流行ってるな・・」「アメリカで流行ってるな・・」など対岸の火事的な状況でしたが、福岡でも146名の感染者が発生し、どんどん増加しています。感染爆発が目の前まで迫ってきている状況です。

 

 このウイルスの特徴は、鼻水などの飛沫(ひまつ)にインフルなどと比較にならない濃度で含まれており、それにより感染力がとても大きい、ということ、そして感染すると肺の中でものすごい速さで増殖し、重度の肺炎を起こしやすい、という2点です。それにより、免疫や体力の劣っている人(主に高齢者)、そして基礎疾患のある人が次々に重篤になります。重篤になることにより、医療が崩壊し、満足な治療ができなくなり、死亡率が極端に高まります。(イタリアやスペインの致死率が異常なのはそのためです)。

 

 感染が飛沫であるため、いわゆる三密(密閉、密接、密集)を避けるようにとの政府からのお達しが出ています。が、これは感染が飛沫であることを考えると根拠があります。

 

 では、これを教習所の業務と照らし合わせるとどうか。やはり、学科や待合室においては密集、技能教習においては密接、フロントにおいては密接の状態にあります。仕事に従事している人も、お客さんである生徒さんも、感染のリスクがあると言えます。

 

 その中でこれまでと同じように業務をやっていくのか。停止するのか。正直僕も今も悩み続けています。

 

まず大前提として。

 

 もちろん、感染リスクを100%抑えるためには全ての業務を廃止することがベストです。ただし、免許を取る、あるいは講習を受ける、という対価としてお客様からお金をもらい、そのお金が皆さんの給料となり、皆さんの生活が成り立っています。業務をすぐに停止し、給与の原資がなくなれば、働くみんなに給与は支払われず、みんなの生活は困窮し、生きていけなくなります。病気でなくなる命と生活できずに死んでしまう命は等価なので、これでは意味がありません。

 

・教習や講習を実施しお客様に価値を提供し、対価としてお金をいただくこと。

・みんなやお客さんの感染リスクを下げること。

矛盾するこの2つの問題と向き合い、解決策を考えないといけません。

どう解決していくのか?の答えは誰にもありませんが、やはり今わかっている情報「飛沫感染」それを防ぐ「3密」をベースにヒントがあります。それをベースに、今やっていることも含め、全ての対策を整理しました。

 

<密閉を防ぐ>

・技能教習、学科教習、指導員室において、全て窓を開けて行う


<密接を防ぐ>

・技能教習においては、助手席と運転席で教習を行うこと自体は変えられない。密接しても、直接的な原因である飛沫を出来る限り飛ばさないよう、フェイスシールド(写真1)を指導員に支給し、飛沫を物理的に遮断する

・マスクを人数分支給する

・学科教習においては、席を必ず一つ開けて座ることを徹底する。席数が足りない場合は、補助椅子を使うなどを検討する。

・フロントにおいては、飛沫防止シートを設置(写真2)する

・2輪においては、同乗教習を中止する

 

<密集を防ぐ>

・学科教習においては、人数制限を行う

・応急救護を10名に減らして実施する

・高齢者講習においては待機場所を喫茶スペースに、また受付を地下でできないか検討する

 

<その他>

・引き続き手洗い、ハンドルなど消毒の徹底

・海外渡航歴がある生徒さんについては、2週間入校拒否

・合宿の受入れを停止する

・非接触型体温計4台購入、教習前に必ず検温する

・連絡有りの場合、キャンセル料を取らないようにする

・その他、切り替えれる仕事はリモートワークに切り替える

・高齢者講習は、期限の制限が外れれば、中止?

 

 

 やりすぎか?と思う人もいるかもしれませんが、今話題になっているのは未知のウイルスです。誰にも、どこまでやったらいいのか答えはわかりません。実際、何人の医者にどうすべきか聞きましたが、1人として明確は答えを持っている人はいませんでした。逆にわかっている事実は、世界中の国々(中国、イタリア、スペイン、アメリカ・・・)で流行し、とんでもない事態を引き起こしているということ、福岡でも確実に感染者が増えていることです。

 

 どんな対策でも、やってやりすぎということはない事態だと僕は思います。逆に、「こうやったら3密を防げるんじゃないか?」などの提案をみなさんからして頂けると、とても嬉しいです。

 

会社としての取り組み、皆の一人一人の創意工夫や努力で、この危機を乗り切りましょう。

そしてみんなで、生き残りましょう。

 

幸あれ。

写真1  写真2